交通事故で入院したときの慰謝料の相場を解説!他の賠償金についても

交通事故で入院したときの慰謝料の相場を解説します。受け取れる慰謝料の種類や、算定方法ごとにどのくらいの相場になるのかも説明!交通事故で入院したときに保険会社へ請求できる費用や、その他の賠償金についても載せているため、参考にしてください。

目次

  1. 交通事故で入院したときに慰謝料はどのくらいもらえる?
  2. 交通事故で入院したときに請求できる慰謝料
  3. 交通事故の入院でもらえる慰謝料の相場
  4. 交通事故の入院で慰謝料以外に請求できる費用
  5. 交通事故で入院したら慰謝料を請求しよう

交通事故で入院したときに慰謝料はどのくらいもらえる?

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交通事故による損傷で入院が必要になったら、まずは適切な治療をして回復することが重要です。そして、しかるべき慰謝料や損害金を請求して、納得できる解決を図りましょう。

本記事では、交通事故の入院で請求できる慰謝料や損害金の種類について、徹底解説します。また、慰謝料の請求方法によって、相場はどのくらいであるかも紹介します。

交通事故で入院したときに請求できる慰謝料

慰謝料とは?

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慰謝料は、交通事故に遭ったことで生じた精神的苦痛を、金銭に変えたものです。人身事故に遭った場合に、相手側に請求することができます。

物損事故の場合は、相手側の保険会社が、損傷した車の修理費用などを補償します。それで、物的損害が回復すれば、精神的苦痛は解消されると捉えるのです。そのため、物損事故の場合、慰謝料は支払われないのが、一般的です。

交通事故によってケガをして人身的な被害を受けた場合、請求できる可能性のある慰謝料は、「入通院慰謝料(傷害慰謝料)」「後遺障害慰謝料(後遺症慰謝料)」「死亡慰謝料」の3種類あります。

出典: www.adire.jp

入通院慰謝料

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交通事故による怪我の治療で、入院や通院をしたことによって生じた、精神的苦痛に対する慰謝料のことです。入通院が必要なほど受傷したということから、傷害慰謝料とも呼ばれています。

相手側の保険会社と示談交渉をして金額が確定したら、入通院慰謝料を請求します。示談交渉が成立すると示談書に署名と押印をして、約2週間後に指定の銀行へ振り込まれる流れです。

後遺障害慰謝料

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交通事故による怪我の症状が完治せずに、後遺症として残ることがあります。その場合は、後遺障害として慰謝料を請求することが可能です。ただし、請求するには後遺障害等級に認定される必要があります。

病院で医師に症状固定と診断を受けたら、後遺障害診断書を作成してもらいましょう。診断書を入手したら、後遺障害等級認定の申請手続きを、忘れないようにしてください。

出典:後遺障害等級表(国土交通省)

交通事故の入院でもらえる慰謝料の相場

慰謝料の算定基準

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交通事故で入院したときにもらえる慰謝料の相場は、算定基準によって、どのくらいになるかが決まります。算定基準は、自賠責基準と任意保険基準、弁護士基準の3通りです。慰謝料の相場は、自賠責基準が最も低く、弁護士基準が最も高くなります

したがって、入院でもらえる慰謝料の相場は、被害者の症状や年齢、立場などで、変わるものではありません。被害者がどのようにして慰謝料を請求したのかが、大きく影響します。

目安①自賠責基準

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自賠責保険の入通院慰謝料は、1日あたり4,300円と定められています。4,300円に入通院日数をかけた数字が、慰謝料の相場です

ただし、自賠責保険の賠償金は、入通院慰謝料以外の休業損害なども含めて、上限が120万円と決まっています。それ以上の金額は支払われないため、注意しましょう。詳しい計算方法は、次の通りです。1と2の計算方法で、金額の少ない方が慰謝料額とされます。

  1. 【入院日数+(実通院日数×2)】×4,300円
  2. 治療日数×4,300円
出典:自賠責保険の支払基準が変わりました(交通事故弁護士ALG)

目安②任意保険基準

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任意保険基準は、加害者側の任意保険会社が、示談交渉の際に掲示してくる慰謝料額の算定基準です。

各任意保険会社によって、基準が異なり非公開のため、慰謝料の相場がどのくらいかは定かでありません。おおまかにいえば、自賠責基準よりは高額で、弁護士基準よりは低額です

任意保険基準は、本来被害者がもらうべき慰謝料額よりも、非常に低い金額で掲示してくることが多いでしょう。そのため、安易に受け入れないように、注意してください。示談交渉によって、実際の慰謝料の金額は決定されます。

目安③弁護士基準

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弁護士基準による算定方法は、算定表を使用して慰謝料額の相場を計算します。骨折や内臓損傷など重傷のケースと、むちうちなど軽傷のケースの算定表が2種類あるため、注意してください。弁護士基準による入院慰謝料の相場は、次の通りです。

軽傷の場合

重傷の場合

1ヶ月

19万円

28万円

3ヶ月

53万円

73万円

4ヶ月

67万円

90万円

6ヶ月

89万円

116万円

出典:慰謝料算定表の使い方|弁護士基準の表を見る方法(交通事故弁護士ALG)

交通事故の入院で慰謝料以外に請求できる費用

費用①入院治療費

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入院治療費の主な内容は、検査料や診察料、投薬料、手術料などです。必要かつ相当な範囲内でかかった費用に対して、補償されます。費用を請求する際は、病院の診断書や診療報酬明細書などが、必要になる可能性が高いです。

また、治療として医学的に必要性のない場合や、過剰診療、高額診療においては、必要かつ相当な範囲内として認められません。そのため、賠償金はもらえないでしょう。

入院治療費の請求は、事故日から3年以内に申請するようにしてください。なぜなら、損害賠償請求権が時効になるためです。

費用②入院雑費

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入院雑費は、1日あたり約1,500円を基準として、請求することが可能です。入院をするために必要な寝具や衣類などの日用品、栄養補給などの費用が賠償されます。

なお、損害が少額であり立証することも困難な場合は、基準額の約1,500円とされます。そして、入院期間に応じて、どのくらいであるかを算定することが多いです。

費用③交通費

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被害者が入院や退院をする際に必要な交通費は、公共交通機関の料金を基準とした損害金をもらえます。ただし、タクシーを利用する場合は、視力を失う、盲導犬を連れているなど、相当の理由が必要です。

また、自家用車を使った場合は、1kmあたり約15円で計算されます。ちなみに、近親者が付添や見舞いをするための交通費は、原則として損害賠償の対象にはなりません。

費用④個室・特別室料

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医師による指示があった場合には、特別室や個室にかかった費用も請求可能です。他にも、怪我の症状が重篤であったり、特別室以外に空きがなかったという理由でも、賠償が認められるでしょう。

例えば、高次脳機能障害の影響で脱抑制症状が見られ、個室の必要があったケースなどです。また、被害者が話すことができない状態で、文字のやりとりが治療で必要なケースなども該当します。

費用⑤付添看護費

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付添看護費とは入院や通院をするにあたり、被害者の家族や職業付添人が付き添うことで、必要なった費用です。ただし、補償される費用は、医師の指示があったり、必要性が認められる場合に限ります。

また、近親者の付き添いの場合は、1日あたり約6,500円が認められています。被害者の症状によっても、どのくらいの費用が補償されるのか異なるでしょう。通常、職業付添人の場合は、実費全額の賠償金が支払われます。

費用⑥器具・装具などの購入費

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器具や装具などは、必要かつ相当な範囲内で補償が認められます。また、回復までの相当期間で、器具や装具の交換が必要な場合も、将来費用として請求が認められる可能性も高いです。器具や装具の主な種類は、次の通りです。

  • 義歯・義眼・義手・義足
  • 眼鏡・コンタクトレンズ
  • 車いす・歩行訓練器
  • 電動ベッド・介護支援ベッド

費用⑦休業損害

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休業損害とは、交通事故による怪我によって休業を余儀なくされ、本来得られるはずの収入を損失したことに対しての補償です。

労働者はもちろんのこと、専業主婦なども条件を満たせば、休業損害が認められます。また、交通事故に遭っても、被害者に損失がなければ休業損害は認められません。

費用⑧逸失利益

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逸失利益は、交通事故で受傷したことにより、将来得られるはずの収益を失ってしまったことに対する損害です。得られなくなった収益分が、支払われます。基礎収入、労働能力喪失率、労働能力喪失期間、中間利息などを参考にして、損害金の相場が算定されます。

費用⑨その他

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交通事故で受傷したことにより、さまざまな損害を被ることになります。交通事故での受傷が原因で転居を余儀なくされた場合は、因果関係が認められる範囲で転居費用も請求可能です

上記の他にも、必要かつ相当な範囲内で請求できる損害金が多くあります。主な内容は以下の通りです。

  • 【学生・生徒の学習費】授業料・通学定期代・保育料など
  • 【葬儀関係費用】葬儀費用・墓石建立費など
  • 【文書料】診断書料・照会費用・刑事記録謄写代など

交通事故で入院したら慰謝料を請求しよう

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交通事故で入院をしたときに請求できる慰謝料は、大きく分けて入通院慰謝料と後遺障害慰謝料です。また、慰謝料の請求方法によって、どのくらいの金額で受け取れるかが異なります。

可能であれば、弁護士基準で算定すると、最も高額になる可能性が高いです。慰謝料以外にも請求できる費用があるため、本記事を参考に確認してみてください。

この記事のライター

宮内直美

最新の情報や疑問に思ったことなど、調べることが好きなフリーライターです。交通事故の防止や対処法に役立つ情報を収集して、分かりやすく執筆します。

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