全治2週間の慰謝料はどのくらい?人身事故への切り替え方や注意点も

交通事故による怪我が全治2週間と診断されたとき、入通院慰謝料はどのくらい支払われるのかを解説します。また、物損事故から人身事故への切り替え方法や後遺障害になったときの対処法なども必見です。全治2週間と診断されたときの注意点も、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 全治2週間と診断された場合の慰謝料はどのくらい?
  2. 全治2週間でも慰謝料は請求できる?
  3. 全治2週間と診断されたが完治に2週間以上かかった場合
  4. 全治2週間と診断されたときに人身事故へ切り替える方法
  5. 全治2週間と診断されたときに請求できる慰謝料以外の損害賠償
  6. 全治2週間と診断されたときの注意点
  7. 全治2週間と診断されても慰謝料は請求できる

全治2週間と診断された場合の慰謝料はどのくらい?

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全治2週間と診断を受けた場合、軽傷でも慰謝料を受け取ることができるのか気になるところです。本記事では、全治2週間と診断されたときの慰謝料について徹底解説します。

慰謝料の相場や種類、受け取るための注意点なども説明しましょう。また、慰謝料以外の請求可能な損害賠償についてもまとめているので、ぜひチェックしてみてください。

全治2週間でも慰謝料は請求できる?

交通事故による怪我が軽く全治2週間と診断された場合、慰謝料をもらうことができるのか、気になるところです。ここでは、慰謝料をもらえるケースと、全治2週間の場合の慰謝料相場について解説します。

人身事故の場合は軽症でも慰謝料請求ができる

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交通事故で被害者になると、相手に対して慰謝料を請求できるというイメージが強いでしょう。しかし、必ずしも加害者側に慰謝料を請求できる訳ではありません。

慰謝料を請求できるのは、人身事故の場合のみです。人身事故として処理されていれば、全治2週間の軽傷でも慰謝料を受け取ることができます。しかし、警察に物損事故として届出をしている場合は、慰謝料を請求することができないので注意しましょう。

全治2週間でもらえる入通院慰謝料の相場

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慰謝料の計算方法は3通りあります。自賠責保険の基準と任意保険の基準、弁護士基準です。全治2週間でもらえる入通院治療費の相場は、弁護士基準で約13万円になります。むちうち症で他覚症状がない場合は約9万円です。

3通りの計算の中では、弁護士基準が最も高額な慰謝料をもらえる可能性が高くなります。自分で相手側の保険会社と交渉すると、弁護士基準より大幅に金額を下回るケースが多いです。

全治2週間と診断されたが完治に2週間以上かかった場合

全治2週間と診断をされても、症状が長引くケースもあります。治療が長引いた分の慰謝料は、もらえるのでしょうか?ここでは、全治2週間よりも長引いてしまった場合のケースについて、詳しく解説しましょう。

完治に2週間以上かかった場合は慰謝料が増額される

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入通院慰謝料は入通院の期間が長いほど、もらえる金額も増えます。もちろん、全治2週間と診断されて長引いた場合も同様です。入通院で治療を受けた期間分、慰謝料は支払われます。また、怪我の程度で慰謝料の基準が異ります。

2週間以上かかった場合の入通院慰謝料の相場

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通院期間

入通院慰謝料の金額

約1ヶ月

約19万円(骨にひびが入っていた場合は約28万円)

約3ヶ月

約73万円(骨折の場合など)

半年

約116万円(骨折など重症の場合)

入院1ヶ月+通院5ヶ月

約141万円(手術も要する場合)

上の表は通院期間と入通院慰謝料の相場です。治療内容や入通院の日数、怪我の症状などによって、入通院慰謝料の金額が異なります。

後遺症が残った場合の後遺障害慰謝料の相場

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むちうちや骨折による後遺障害等級が12級である場合、後遺障害慰謝料は約290万円です。また、14級の場合は後遺障害慰謝料が約110万円になります。

原則的に後遺障害慰謝料と入通院慰謝料は別々に支払われます。したがって、どちらも支払われる場合は数百万円単位になるでしょう。

全治2週間と診断されたときに人身事故へ切り替える方法

先述したように、慰謝料が支払われるケースは人身事故の場合のみです。すでに物損事故で警察に届出をしている場合は、人身事故に切り替えることができます。ここでは、切り替える方法を詳しく解説しましょう。

物損事故から人身事故への切り替え方

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物損事故から人身事故へ切り替えるには、警察署で手続きをしなければなりません。そのためには、まずは「診断書」が必要です。診断書は、医師が診察や治療の結果、患者の病状や傷病名、加療期間などを書き込む書類です。

出典: agoora.co.jp

診断書を取得したらすぐに警察署へ行き、切り替えの手続きをしてください。切り替えが認められたら、自動車安全運転センターで「人身事故の交通事故証明書」を発行してもらえます。

この証明書を保険会社に提出することで、対人賠償責任保険が適用されます。したがって、慰謝料などの賠償金を支払ってもらうことができるのです。

人身事故と認められなかった場合の手続き

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交通事故が起きてから日にちが経ちすぎている場合、人身事故への切り替えができないことがあります。理由は事故と怪我の因果関係が証明できず、事故以外の怪我ではないのかと疑われるからです。できれば事故から3日以内、遅くとも10日以内には手続きを済ませましょう。

また、切り替えができなかった場合は、保険会社に「人身事故証明書入手不能理由書」を提出すると、人身事故として取り扱ってもらえます。書式については保険会社に尋ねてみてください。

人身事故証明書入手不能理由書とは、その名のとおり、人身事故証明書が入手できない理由があることを申告する書類です。物損事故扱いのまま加害者の保険会社に慰謝料を請求する際や、健康保険を利用して治療を受ける場合などに必要となります。

出典: amane-law.or.jp

全治2週間と診断されたときに請求できる慰謝料以外の損害賠償

全治2週間と診断された場合、慰謝料以外にも請求できる損害賠償があります。どのような種類があるのか、内容と併せてチェックしてみてください。

積極損害

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治療費

病院で治療や検査を受けるためにかかった費用

入院雑費

入院する際の必需品を購入するための費用

通院交通費

通院するための交通費

将来介護費

後遺障害が残り、将来介護が必要と判断された場合の費用

上の表は加害者側に請求可能な積極障害の種類です。積極障害とは交通事故によって被害を受けたことで、被害者が支払わなければならなくなった損害のことをいいます。

消極損害

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休業損害

交通事故による怪我が理由で働けず、その分の失った利益

逸失利益(後遺症の場合)

後遺症が原因で失った、将来得られるはずの利益

逸失利益(死亡の場合)

死亡が原因で失った、将来得られるはずの利益

消極損害とは交通事故で被害にあってしまったことが理由で、損失してしまった得られるはずの利益のことをいいます。治療を受けて怪我が完治した場合は、休業損害のみが対象です。

物的損害

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代車費用

修理期間など代車が必要な場合の相当期間に限り認められたもの

車両の修理

車両の時価額が限度

レッカー代

車両の移動でレッカー車が必要になった場合

物的損害は文字通り、車両を含め破損した物に対する損害です。車両の修理や車両内の物、洋服や高級時計なども対象に含まれています。

全治2週間と診断されたときの注意点

全治2週間と診断されたときに、忘れてはいけない注意点をいくつか紹介しましう。心がけておくと慰謝料の金額にも影響するので、ぜひ参考にしてください。

注意点①人身事故への切り替えは早めにする

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全治2週間と診断されても痛みや症状には個人差があるので、長引く可能性はおおいにあります。2週間くらいなら大丈夫と安易に考えず、速やかに人身事故への切り替え手続きを行いましょう。切り替えを忘れてしまうと、慰謝料を受け取ることができません。

注意点②過失割合が正しいか検討する

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過失割合とは、交通事故の当事者同士でどちらがどのくらいの過失があるかを示す割合のことです。慰謝料の金額はこの過失割合が大きく関わってきます。

したがって、過失割合が適正であるかどうかの判断が重要です。相手の主張通りにせず、自分にとっても有利な点がないか、じっくりと検討しながら話し合いましょう。

注意点③後遺障害等級によって慰謝料の額は大きく変わる

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最初の診断で全治2週間と言われても、後から痛みなどの症状が出てきて後遺症になることも考えられます。後遺症が残れば、後遺障害等級が認定される可能性もあるので申請しましょう。

認定される等級によって、支払われる慰謝料の金額が大きく変わります。そのため、認定基準の知識を深めて、申請に必要な資料を揃えておくことが大切です。

注意点④示談には慎重に応じる

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示談交渉をしてしまうと、治療費を受けることも入通院治療費を増額することもできなくなります。全治2週間と診断されても、症状が長引くことがあると想定しておかなければなりません。慌てて自分で示談交渉を行わないように気を付けてください。

事故直後、全治2週間と診断されてもすぐに示談するのは危険です。というのも、一度示談が成立してしまうと原則として撤回できないからです。

出典: www.bengohiroba.jp

全治2週間と診断されても慰謝料は請求できる

Krissie

全治2週間と診断されたときの慰謝料について、詳しく解説してきました。全治2週間でも人身事故であれば、慰謝料は支払われます。

すでに物損事故で処理されている場合は、速やかに切り替えの手続きを行うことが重要です。また、慌てて自分で示談交渉をせずに、慎重に対応するようにしましょう。記事を参考に、少しでも高額な慰謝料を受け取れるように知識を深めてください。

この記事のライター

宮内直美

最新の情報や疑問に思ったことなど、調べることが好きなフリーライターです。交通事故の防止や対処法に役立つ情報を収集して、分かりやすく執筆します。

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