交通事故で発症した腰痛が治らない?後遺症や慰謝料について解説!

交通事故による腰痛についてまとめました。腰痛の治療で通院しても治らない場合や悪化した場合に、どのような対処をしたら良いのか、徹底解説しましょう。また、交通事故で腰痛が後遺症になった時に申請可能な後遺障害認定等級や慰謝料についても、役立つ情報を紹介しています。

目次

  1. 交通事故が原因で引き起こされる腰痛とは
  2. 交通事故による腰痛の症状
  3. 交通事故が原因の腰痛の治療や通院期間
  4. 交通事故の腰痛に支払われる慰謝料の相場
  5. 交通事故による腰痛の後遺障害等級認定
  6. 交通事故による腰痛は後遺障害等級認定が受けにくい

交通事故が原因で引き起こされる腰痛とは

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交通事故が原因で腰痛を発症し、治療を受けているけれど治らないまたは悪化しているという状況であれば、不安になるものです。

本記事では、事故による腰痛が治らない時にどうすれば良いのかを解説します。また、後遺障害と診断された場合の適切な対処法も説明するので、ぜひ参考にしてください。

交通事故による腰痛の症状

交通事故によって発症する腰椎捻挫は、どのような症状であるのかを解説しましょう。また、腰痛の悪化で発症する可能性がある椎間板ヘルニアについても説明します。

腰椎捻挫とは?

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腰椎捻挫は、事故によって腰の筋肉や筋膜に炎症が起きた状態のことです。事故による衝撃で腰の部分が過剰に反ってしまった過伸展、あるいは関節が過剰に曲がってしまった過屈曲が原因で起こります。この腰椎捻挫の主な症状が腰痛です。

頸椎の損傷が大きく悪化した場合は、頭痛や吐き気、首や背中の痛みなどの症状が出ることもあります。事故後はすぐに痛みを感じないケースが多いため、腰痛がひどくなくても整形外科で受診をするようにしましょう。

椎間板ヘルニアになることも

Sora Shimazaki Pexels

下肢に痛みやしびれなどの症状が出た場合は、腰椎で椎間板ヘルニアを発症している可能性があります。

椎間板ヘルニアは、骨と骨の間でクッションの役割をしている椎間板の一部が変性して神経に当たることで痛みやしびれを感じる状態のことです。

腰痛が悪化して神経を強く圧迫してしまうと、感覚を喪失することもあります。腰痛の悪化を避けるためにも、事故後は通院して適切な治療を受けましょう。

交通事故が原因の腰痛の治療や通院期間

交通事故で腰痛の治療を受ける場合、一般的な治療期間はどのくらいであるのかを説明します。また、一定期間治療しても腰痛が治らない時はどうなるのかも解説していきましょう。

治療にかかる期間はどれくらい?

valelopardo

交通事故で腰痛になった場合、それぞれの症状にもよりますが通院期間は1~3ヶ月間が一般的です。

腰痛の症状が重く回復に時間を要する場合は、6ヶ月間ほどかかるケースもあります。通院期間や頻度は自分で判断せずに、医師と相談しながら進めていきましょう。

後遺症が悪化して治らない場合はどうなる?

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事故による腰痛の治療で通院を続けても、一向に治らない場合はどうなるのでしょうか?このまま治療を続行しても治らないと判断されることを、症状固定といいます。症状固定の診断は、通院先の医師が行います。

症状固定になった時点で、事故による腰痛は後遺症とみなされるため、治療費や休業損害などは打ち切りになることを覚えておきましょう。

支払いを打ち切られないためには?

stevepb

先述したように、後遺障害の診断を受けた後は治療費などの賠償金を打ち切られます。しかし、後遺障害と診断されていなくてもある程度の通院期間が過ぎたら、保険会社の方から治療費の打ち切りを打診してくる場合があるのです。

まだ腰痛がひどく治療が必要な場合は、通院先の医師にしっかりと症状を伝えましょう。そして、保険会社へ治療の必要性を医師から明確に示してもらうと、治療費の支払い期間を延ばすことができるかもしれません。

交通事故の腰痛に支払われる慰謝料の相場

交通事故で腰痛を患った場合の慰謝料について、詳しく解説します。また、慰謝料の相場も紹介するので目安にしてみてください。

弁護士基準の慰謝料相場

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通院期間

1ヶ月

2ヶ月

3ヶ月

4ヶ月

5ヶ月

6ヶ月

入通院慰謝料

19万円

36万円

53万円

67万円

79万円

89万円

上の表は、弁護士が間に入って慰謝料を請求したケースで、事故による腰痛(腰椎捻挫)に対しての入通院慰謝料相場です。慰謝料の金額は、弁護士基準によって算出されています。

重症時の慰謝料相場

Raten-Kauf

通院期間(縦)入院期間(横)

0

1ヶ月

2ヶ月

0

0

53万円

145万円

1ヶ月

28万円 

77万円 

162万円

2ヶ月

52万円

98万円

177万円

3ヶ月

73万円

115万円

188万円

6ヶ月

116万円

149万円

211万円

9ヶ月

139万円

170万円

226万円

12ヶ月

154万円

183万円

236万円

上の表は事故による腰痛(腰椎捻挫)が重症のケースで、弁護士基準によって算出された、入通院慰謝料相場です。

表の見方は、縦と横が交わる部分が金額(万単位)となります。例えば、腰痛によって通院2ヶ月で入院なしの場合、入通院慰謝料は52万円です。

交通事故による慰謝料は、弁護士基準で計算する方法が、最も高額になる可能性が高いといわれています。

自賠責基準の場合は?

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自賠責基準による入通院慰謝料の場合は、1日につき4300円を受け取ることができます。医療機関への実通院日数の2倍と治療期間を比較して、少ない方を慰謝料の対象日数とします。

例えば、実通院日数10日の2倍で20日と治療期間が30日の場合は、実通院日数の20日になります。したがって、4300円に20日をかけた金額86000円が入通院慰謝料です。

また、自賠責保険による傷害に関する賠償金は、120万円が上限額ですので、注意しておきましょう。

出典:自賠責保険(共済)とは?(国土交通省)

交通事故による腰痛の後遺障害等級認定

医師によって後遺障害と診断されると、腰痛は事故の後遺症とみなされ、治療費は打ち切りになります。

しかし、事故によって後遺症が残ってしまった場合、後遺障害等級認定を申請することが可能です。ここでは後遺障害等級認定について、詳しく解説します。

認定される等級は?

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事故による腰痛の後遺症に対して、後遺障害等級認定の申請を行うことができます。腰痛の場合の後遺障害等級は、14級9号あるいは12級13号に認定されるケースが多いです。

それぞれの認定基準は、局部に神経症状が残った状態であれば14級9号、局部に頑固な神経症状が残った状態であれば12級13号と認定されます。

出典:後遺障害等級の認定基準(岡川総合法務事務所)

申請を認定してもらうためには?

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事故による腰痛の後遺症で申請した全ての人が、後遺障害等級に認定されるとは限りません。認定されるためには、しっかりとした準備が必要です。後遺障害等級を認定する人に、イメージしてもらいやすい資料を用意しておくのがポイントになります。

MRIやCTなどの検査画像、医師による診断書など、状態が良くないという証拠を集めておくのも効果的です。例えば、腰痛によって日常生活のどのような場面で不便を感じるかなど、医師に明確に書いてもらうと良いでしょう。

認定のための検査内容

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先述したように、CTやMRIの検査画像は目で見て明確に判断できる、有効な資料になります。MRIは、人体に電磁波を当てて断層撮影をする検査です。

CTはレントゲンと同様にX線検査の一種で、高度なコンピュータと組み合わせて行う検査になります。

症状によって検査内容は異なりますが、腰痛と事故の整合性を立証するには、MRIの方が明確にできるかもしれません。他にも、深部腱反射テストや筋萎縮テスト、SLRテストやFNSテストなどがあります。

後遺障害等級認定の申請方法

homajob Unsplash

後遺障害等級認定の申請をする前に、自分が申請条件に該当しているか確認しましょう。認定される条件は3つあります。

1つ目は、事故の結果が腰痛であるという因果関係が明確であることです。2つ目は後遺症になり今後も回復の見込みがない状態であること、3つ目は後遺症であることが医学的に証明できることです。

申請手続きは事前認定と被害者請求の2つの方法があります。事前認定は、被害者が必要な提出物を揃えるだけで、後の手続きは加害者の任意保険会社に任せる方法です。被害者請求は、被害者側が全ての手続きをすすめていく方法になります。

可能であれば手間はかかりますが、被害者請求の方が慰謝料を高額で受け取れる可能性が高い傾向にあります。

支払われる後遺障害慰謝料の金額

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後遺障害等級

弁護士基準

自賠責基準

12級

290万円

94万円

14級

110万円

32万円

上の表は、事故による腰痛の後遺症で支払われる、後遺障害慰謝料の金額です。等級の数が少ないほど、慰謝料の金額が高くなります。また、自賠責基準よりも、弁護士基準の方が高いこともポイントです。

交通事故による腰痛は後遺障害等級認定が受けにくい

Karolina Grabowska Pexels

交通事故による腰痛の症状や治療期間、後遺障害等級認定について詳しく解説してきました。腰痛だからそのうち治るだろうと放っておくと後になって悪化する可能性もあるため、事故に遭ったらまず整形外科で受診してください。

腰痛は事故が原因であること以外にも、持病の方も多くいるため後遺障害認定を受けにくいといわれています。万が一後遺症になった時のことも考慮し、本記事を参考にさまざまな状況に対応できるよう、備えておきましょう。

この記事のライター

宮内直美

最新の情報や疑問に思ったことなど、調べることが好きなフリーライターです。交通事故の防止や対処法に役立つ情報を収集して、分かりやすく執筆します。

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