破産管財人は何をする人?基本情報や業務内容を詳しく説明!

破産管財人とはどのような役割を担い、何をする人なのか詳しく解説します。破産管財人が財産に対して持つ権限や、地位や立場、業務内容について説明!破産管財人が選任されたときの、破産者の注意点もまとめているため、参考にしてください。

目次

  1. 破産管財人について解説
  2. 破産管財人の基本情報
  3. 破産管財人の業務内容
  4. 破産管財人が選任されたときの注意点
  5. 破産管財人は管財事件のときに選任される

破産管財人について解説

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破産管財人とは、どのような業務を行う人なのでしょうか?また、どのようなときに選任されるのか、破産管財人が必要な理由や選任方法についても取り上げています。

さらに、破産管財人の業務内容も、ひとつひとつ詳しく解説していきます。破産管財人が選任された時の注意点も、参考にしてください。

破産管財人の基本情報

破産管財人といわれても、どのような業務を行っているのか知らない人がほとんどでしょう。まずは、破産管財人がなぜ必要なのか、どのような立場にあるのか詳しく解説していきます。

破産管財人とは?

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破産管財人とは「破産手続きにおいて破産財団に属する財産の管理及び処分する権利を有する者」です。

簡単にいうと、破産者の財産を処分してお金に換えるなど、管理する権限を持つ、裁判所に選任された弁護士です。破産管財人は、自己破産を申し立てた後、管財事件として扱われる際に裁判所によって選任されます。

出典:破産法第二条12頁(e-GOV法令検索)

破産管財人が必要な理由

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自己破産とは、借金の返済ができなくなったときに裁判所に申し立てをして、免責許可を貰う手続きです。免責許可を貰い自己破産が認められれば、借金の返済を免除してもらえます。

自己破産を申し立てるとき、原則として生活に必要な財産以外のものを持ち続けることができません。必要な財産以外は、換金して債権者に配当されるのです。

しかし、破産者の中には、財産を隠し持っておこうと考える人もいます。借金の返済を免除してもらっているにもかかわらず、破産者が財産を自由に持てるのでは、債権者から見ると不公平です。そのようなことのないように、破産管財人が選任され、債権者に配当できる財産がないのか調査を行います。

不動産や有価証券などは最終的にはお金に換えて、債権額に応じて平等に配当を行います。
また、申立人が免責をするのにふさわしいかを調査して、裁判所に対して免責に関する調査報告書を提出します。

出典: www.shinjuku-law.jp

破産管財人の地位や立場

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破産管財人は、裁判所から選任された弁護士です。幅広い知識や経験が必要であるため、一定の条件を満たす弁護士の中から選任されます。

裁判所に代わって破産手続きを遂行していくという役割があり、破産者の財産を調査、管理、換金し、債権者の配当を多くすることを優先するため、「債権者の代表」ともいわれています。しかし、破産管財人は、破産者の経済的更生も考慮しなければなりません。

債権者のために、全ての財産を換金、配当するのではなく、破産者の今後の生活についても考慮しなければならない立場です。破産管財人は破産者と債権者両方の立場を考慮し、あくまでも中立的な立場でいなければなりません

破産管財人の権限

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破産管財人には、破産者の財産の管理処分権と、調査権限があります。破産者の財産は一部を除き、破産者の承諾を得ることなく、売却する権限があります。

また、破産管財人は、破産者宛の郵便物も調べる権限もあります。破産者宛の郵便物をチェックすることで、財産が隠されていないか調査するのです。

さらに、銀行や証券会社に問い合わせて、破産者名義の口座の有無を調査したり、会計帳簿を調べる権限も与えられています。

破産管財人の義務

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破産管財人は、公平中立な立場で、業務を行わなければなりません。そのため、破産管財人には、業務を行う上での義務もあります。

善良な管理者の注意をもって職務を遂行しなければならない「善管注意義務」、公平中立でなければならない「公平中立義務」、その他「忠実義務」「報告義務」があります

これら義務に違反した場合、裁判所は破産管財人を解任することができます。それだけでなく、法的義務違反について、民事責任を問われることもあるのです。

破産管財人の選任方法

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破産手続きが開始されると、破産裁判所より、破産管財人が選任されます。選任される弁護士は、当該事件の破産裁判所の、管轄地域内に所属している弁護士が選任されます

法律では、弁護士に限るという規定はありませが、今まで弁護士以外が選任されたことはほとんどありません。しかし、弁護士個人ではなく、弁護士法人が選任されるケースもあります。

出典:破産法三十四条1頁(e-GOV法令検索)

破産管財人が選任されないこともある

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破産業務が無いことが明らかな場合は、破産管財人を選任しても無駄になります。そのため「破産財団をもって破産手続きの費用を支弁するのに不足すると認めるとき」は、破産管財人は選任されません。

破産管財人が選任されずに、破産手続の開始と同時に破産手続廃止となることを同時廃止といいます。同時廃止は申し立て以外の費用がかかりません。また、管財業務も行われないため、手続き終了までの期間は短くて済みます。

出典:破産法二百十六条1頁(e-GOV法令検索)

破産管財人の業務内容

 破産管財人が必要な理由や、権限についてわかったところで、業務内容について解説していきます。業務内容を、ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。

業務①破産者の債務額の確定

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破産者が保有している財産は、債権者らに配当することを前提として、誰が債権者なのか確定させる必要があります。

また、優先的に弁済を受けられる、債権者も確定させなければなりません。そのため、破産者の債務額を調査し、破産管財は債権の有無や額が正しいか検討します

業務②破産者の資産の管理

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破産手続きが開始されると、破産者の財産は債権者に配当される財産と、自由財産(破産者の手元に残せる財産)に分けられます

破産者が保有する現金や預貯金は、破産者が不当に散逸させないよう、破産管財人名義の銀行口座に預けることになります。また、換金できるものは、適正な価格でお金に換えます。

業務③破産に至った経緯などの調査

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破産に至った経緯を調査するのも、破産管財人の業務です。破産に至った原因や経緯を調査し、免責不許可事由があるかどうか調べます。

基本的に自己破産を申し立てれば、借金の返済義務は免除されます。しかし、債権者に酷な行為をした場合など、借金が免除されないケースもあるのです。

破産者の反省態度や現在の生活、債権者が破産に反対していないかなどを調査し、免責不許可事由があるかどうか調査します

業務④配当手続き

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配当とは、破産者の財産をお金に換えて、債権者に分配することです。破産管財人は、各債権者に対する弁済、または配当金額を正確に算出します。それに基づき、破産債権に対して、配当を行います。

業務⑤債権者集会での報告

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債権者集会とは、債権者の意見を聞くために開催される裁判期日です。破産者は債権集会に出席しなければなりませんが、個人の場合には出席することは少ないです。

破産管財人は、事前に提出した書面に基づき、財産や収支の報告を行います。通常であれば簡単な報告を行うだけであるため、5分程度で終了することがほとんどです。

破産管財人が選任されたときの注意点

破産管財人が選任された場合、どのようなことに注意すれば良いのでしょう。破産者が注意すべきことについて、詳しく解説します。

注意点①破産管財人の調査には協力しなければならない

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破産者は、財産について説明を求められます。破産者は借金の返済義務が免除されるのですから、破産管財人の調査に協力しなければなりません。

協力しなかった場合は義務違反となり、免責不許可事由で、免責が認められない場合もあります。虚偽の説明をした場合、罰則規定も設けられているため、正しい説明をしましょう。

注意点②旅行や転居などが制限される

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破産手続が終了するまで、転居、旅行、出張等をする場合は、事前に許可を取る必要があります。裁判所の許可が必要となるのは、破産手続き中のみです。そのため、破産手続きが集結すれば、引っ越しや旅行も自由にすることができます。

注意点③郵便物が転送される

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破産手続きが開始されると、郵便物は破産管財人へ転送され、内容をチェックされます。郵便物の確認は、破産管財人の権限のひとつであり、財産の有無を調べるために必要な業務です。なお、郵便物は内容を確認後、返却してもらえます。

破産管財人は管財事件のときに選任される

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自己破産は、借金の返済義務が免除になることから、破産管財人による調査が入ることがあります。破産管財人は主に、債権者側の利益確保を優先しますが、破産者の敵ではありません。

破産者を監督する立場でもあり、今後の生活を立て直すための業務も行います。免責許可を得るためにも、虚偽の説明はせず、誠実な対応を心がけましょう。

この記事のライター

伊藤

女の子と男の子の子育てをしながら、フリーライターをしています。交通事故や怪我に関する疑問を解決できるよう、主婦目線でわかりやすく説明していきます。

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