交通事故の慰謝料の支払いはいつ?示談成立の流れや早く受け取る方法も

交通事故の慰謝料の支払いがいつ頃になるのか、詳しく解説します。交通事故の慰謝料を早く受け取る方法や、弁護士に示談交渉を依頼するメリットもまとめています。交通事故から示談成立までの流れも紹介しているため、慰謝料の振込がいつ頃になるのか、参考にしてください。

交通事故の慰謝料の支払いはいつ?示談成立の流れや早く受け取る方法も

目次

  1. 交通事故の慰謝料はいつ支払われるか解説!
  2. 交通事故で示談が成立するまでの流れ
  3. 交通事故の慰謝料はいつ支払われる?
  4. 交通事故の慰謝料を早く受け取る方法
  5. 弁護士に慰謝料請求を依頼するメリット
  6. 交通事故の慰謝料は示談成立後に支払われる!

交通事故の慰謝料はいつ支払われるか解説!

お金を数える女性
Karolina Grabowska Pexels

交通事故に遭うと、慰謝料がいつ支払われるのか、気になる人も多いでしょう。加害者が任意保険に未加入の場合や、当事者同士で意見が食い違う場合は、慰謝料の支払いが遅れる可能性があります。

本記事では、交通事故の慰謝料はいつ支払われるか解説します。交通事故の慰謝料を早く受け取る方法や、請求を弁護士に依頼するメリットもまとめているため、参考にしてください。

交通事故で示談が成立するまでの流れ

流れ①事故発生と対応

交通事故の現場
f999999_key

交通事故が起きたら、すぐに警察へ連絡しなければなりません。交通事故で怪我人がいない場合も、警察に届け出を行う必要があります。

また、警察に連絡することで、交通事故証明書が発行されます。交通事故証明書は、自動車保険や自賠責保険の保険金を請求する際に、必要な書類です。交通事故証明書には、事故発生の日時や場所、当事者の住所や氏名、車両番号が記載されています。

流れ②治療

事故の治療のために医師の診察を受ける患者
nci Unsplash

交通事故で怪我を負ってしまったら、治療に専念しましょう。病院で受診するのは、交通事故当日が好ましいです。また、交通事故と怪我の因果関係を明らかにするためにも、診断書の発行を担当の医師に依頼しましょう

交通事故の加害者に、治療費などの請求も行えるため、医師の指示に従って治療を進めてください。

流れ③固定症状・後遺障害等級認定

後遺障害等級認定の申請をしている人

固定症状は、これ以上治療を続けても改善が見込めないと、医師に診断された状態のことです。また、固定症状になるまでの治療費を、保険会社に請求できます。固定症状の時点で、後遺障害が残っている場合は、後遺障害等級認定の申請が可能です。

後遺障害等級が認定されると、等級に応じた慰謝料が支払われます。認定結果はすぐに出るわけではなく、申請後1~2ヶ月程度で結果が出ます。

後遺障害等級認定とは、交通事故によって残ってしまった後遺症に対して、「後遺障害等級」が認定されることです。等級は14段階で分けられており、1級に近いほど重い症状とされます。
後遺障害等級は、交通事故による後遺症全てに対して認定されるとは限りません。審査を受け、後遺障害等級の認定基準を満たしていると判断された場合のみ、認定されます。

出典: atomfirm.com

出典:後遺障害等級表(国土交通省)

流れ④示談交渉

交通事故の示談交渉をしている人達
StartupStockPhotos

保険会社に損害賠償請求を行い、交通事故による示談交渉を進めます。示談交渉は、慰謝料の金額のみが、争点となることが多いです。交通事故の当事者が示談内容に合意すると、示談が成立します。しかし、過失割合も争点になると、成立までの期間が長引きます。

示談交渉が決裂した場合は裁判に発展し、さらに時間がかかる可能性が高いです。慰謝料の支払いを受けるまで、2年以上の期間を要するケースもあります。

交通事故の慰謝料はいつ支払われる?

慰謝料の支払いは示談成立後から1週間~2週間後

振込される交通事故の慰謝料を計算する
HeungSoon

交通事故による慰謝料の支払いは、示談成立後になるのが一般的です。示談が成立すると、保険会社から交通事故の被害者に、示談書が送付されます。示談書の送付には、3日程必要です。

被害者は示談書の内容を確認し、問題がなければ署名と捺印をして返送します。保険会社が返送された示談書を確認し、3~7日ほどで慰謝料が振込されます。多くの場合、慰謝料の振込は示談成立から1~2週間後です

交通事故の慰謝料の支払方法

指定した銀行に振込されるお金
martaposemuckel

慰謝料の支払いは高額であっても、一括払いが原則です。慰謝料は、示談書に記載された銀行口座に振込されます。

また、示談交渉時に、加害者側から分割払いを、提案されるケースもあります。分割払いを提案された場合、加害者側に支払い能力があるかどうか、しっかりと確認してから対応しましょう。

交通事故の慰謝料の相場

慰謝料を計算している様子
stevepb

被害者に支払われる慰謝料は、怪我の期間や程度によって異なります。また、慰謝料算出には、任意保険基準と自賠責保険基準、弁護士基準の3種類があります。どの基準を採用するかによって、金額が異なるため、一律に慰謝料を計算することはできません

交通事故の慰謝料を早く受け取る方法

方法①内払金請求

机に置かれた電話とお金
happylism

治療や示談の途中でも、慰謝料請求ができます例えば、治療や示談交渉が長引いたり、1人につき10万円以上の治療費が発生した場合です。

内払金請求は、交通事故の被害者だけでなく、加害者も請求できます。しかし、加害者が内払金請求を行う場合は、領収書を用意する必要があります。また、内払金請求は120万円を限度とし、10万円を超えるごとに請求が可能です。

加入している任意保険会社によっては、内払金請求制度を採用しています。自賠責保険に請求しても、治療費が足りない場合は、加入している任意保険会社に相談してみましょう。

出典:内払金(税理士法人 中部法律事務所 春日井事務所)

方法②被害者請求

お金を手に持って数えている様子
alexandermils Unsplash

被害者が示談前に自賠責保険に対して、まとまった金額を請求することが可能です。この請求を被害者請求といい、請求できる金額は、怪我の症状によって異なります。被害者請求は、請求してから1週間程度で、指定の口座に振込されます。

被害者請求は内払金請求とは異なり、被害者が1度のみしか請求できないため、注意が必要です。

方法③弁護士に依頼する

むちうちの慰謝料などを弁護士に相談している
espartgraphic

弁護士への依頼も、交通事故による慰謝料を、早く受け取る方法のひとつです。保険会社は、交通事故の怪我によって、治療期間の目安を定めています。

そのため、治療を続けているにもかかわらず、示談をもちかけられたり、治療費の支払いを拒絶されるケースも少なくありません。

このような場合、早い段階で弁護士に依頼することで、交渉がスムーズに進められます。弁護士に依頼する際は、加入している任意保険に弁護士特約が付帯されているか、確認しておきましょう

弁護士に慰謝料請求を依頼するメリット

メリット①支払いまでの期間を短縮できる

パソコン作業をしている弁護士
Snapwire Pexels

後遺障害等級の申請方法のひとつでもある被害者請求は、被害者が行えます。しかし、手続きに慣れていないと、時間がかかる可能性が出てきます

被害者請求に慣れている弁護士に依頼すれば、必要な書類や手続きを、迅速に準備してもらうことが可能です。結果として、申請から支払いまでの期間を短縮できます。

メリット②示談交渉がスムーズに進められる

依頼者と弁護士が話し合っている様子
Karolina Grabowska Pexels

交通事故での示談交渉の争点は、慰謝料の金額と過失割合の2つです。慰謝料や過失割合の妥当な数値や争点が分からず、交渉が長引くケースも少なくありません。

弁護士に依頼することで、交通事故の適正な過失割合や損害額を、算出できます。そのため、結果として慰謝料支払いまでの期間を、短縮できます

メリット③慰謝料を増やせる

お金を数えている様子
igalness Unsplash

交通事故の慰謝料は、自賠責基準と任意保険基準、弁護士基準のいずれかが適用され、算出されます。また、どの基準が適応されるかによって、支払われる慰謝料の金額は大きく異なります。

自賠責保険は、被害者の損害を最低限補償するものです。そのため、自賠責保険基準で算出された慰謝料は、低額になることが多いです。

自賠責保険の不足分を補うための任意保険基準は、自賠責基準よりは高額になります。しかし、大幅に支払い金額が増えるわけではありません。

弁護士基準は、慰謝料相場が最も高額になります。弁護士に依頼することで、弁護士基準で慰謝料の算出が行われるため、受け取れる慰謝料を増やせます

メリット④後遺障害等級認定の申請を依頼できる

申請書に記入している様子
Sozavisimost

示談交渉だけでなく、後遺障害等級認定の申請も、弁護士に依頼できます。後遺障害等級の申請は、保険会社が行う事前認定と被害者が自ら行う被害者請求の、2つの方法があります。

適切な等級を得るためには、自分で申請を行う被害者請求がおすすめです。しかし、関連書類の準備をする必要があります。

弁護士に依頼すると、必要書類の準備などにかかる手間が省けます。また、適切な等級を得るために、通院の仕方や必要な検査について、弁護士からアドバイスを受けることも可能です

また、弁護士と医師が連携して、診断書を作成してもらえます。自分の負担を軽くするためにも、弁護士への依頼を検討すると良いでしょう。

交通事故の慰謝料は示談成立後に支払われる!

交通事故の慰謝料請求に必要な書類
stevepb

交通事故の慰謝料は、示談成立して1~2週間後に指定口座に振込されます。支払われる慰謝料の金額は、交通事故の怪我の状態によって異なるのが一般的です。通院が長引く場合は、内払金請求や被害者請求を利用して、示談交渉前に慰謝料を受け取りましょう。

M.U

この記事のライター

M.U

システムエンジニアの経験もあり、パソコンやプログラミングも興味がある、主婦ライターです。 休日は子どもとお出かけをしたり、料理や工作をして楽しんでいます。 さまざまな知識をいかして、多くの情報を発信していきます!

記載されている内容は※2022年3月14日 16:28:01 ※時点のものです。

現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

この記事へコメントしてみる

※コメントは承認後に公開されます
コメント投稿ありがとうございます。
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。

関連記事

交通事故で軽傷を負った場合の慰謝料はどのくらい?計算方法や事故後の対応を解説

交通事故では、骨折などの重傷のみでなく、打撲やむちうちなどの軽傷を負うこともあります。交通事故でこのような軽傷を負った場合、慰謝料はどのくらい受け取ることができるのでしょうか? 本記事では、交通事故で受傷する可能性のある軽傷の種類や、症状別の慰謝料の目安、交通事故で軽傷を負ったときにしておくことなどを紹介しています。 むちうちなどの慰謝料金額の目安について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

交通事故に遭ったら労災保険は使える?業務・通勤災害の定義を解説

交通事故で、労災保険を使えるのはどのようなケースなのか、知りたい方も多いのではないでしょうか? 本記事では、労災保険の適用が認められるケースなどを詳しく解説しています。 交通事故で労災保険を使うことができるのか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

交通事故の慰謝料金額はどのくらい?ケース別の目安を紹介

交通事故に遭った場合、慰謝料を請求することができますが、金額はどのくらいもらえるのでしょうか? 本記事では、交通事故の慰謝料の決め方や、ケース別の金額の目安などを紹介しています。交通事故の慰謝料について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

人身事故で罰金なしのケースとは?罰金の目安などを解説

人身事故を起こした場合、罰金を科されるのか、心配な方も多いのではないでしょうか? 本記事では、人身事故を起こした場合の罰金の目安や、罰金なしになるケースなどを紹介しています。 人身事故を起こした際の罰金について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

交通事故に遭ったら労災保険は使わない方がいい?メリットやデメリットを解説

交通事故に遭った場合、労災保険を使ってもよいのか、お悩みがあるのではないでしょうか? 今回の記事では、労災保険の他、交通事故で使える保険についてや、労災保険を使うメリット、デメリットなどを紹介しています。 もし、交通事故に遭い、労災保険を使ってもよいのか、疑問や不安がある方はぜひこちらをご覧ください。

交通事故に遭った主婦・主夫が請求できる損害賠償の種類を解説!

主婦・主夫が交通事故に遭った場合、どのような損害賠償を請求できるのか、ご存じでしょうか? この記事では、主婦・主夫の方が交通事故に遭った場合に請求できる損害賠償の種類などについて解説しています。主婦・主夫の方で交通事故の損害賠償請求などにお悩みの際には、ぜひこちらをご覧ください。

慰謝料の計算で活用される弁護士基準とは?計算方法や金額の目安を解説

交通事故に遭った場合、慰謝料の金額はどのくらいになるのでしょうか。 本記事では、弁護士基準での慰謝料の計算方法や、弁護士基準で計算される慰謝料金額の目安などを紹介しています。 交通事故の慰謝料について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

交通事故の見舞金の相場はどのくらい?見舞金受け取りの注意点も解説

交通事故の見舞金の相場について、知りたい方は多いのではないでしょうか? 本記事では、交通事故の見舞金の相場や、交通事故の見舞金を受け取る際の注意点などを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

交通事故における加害者の生活への影響は?責任や対応についても解説

この記事では、交通事故を引き起こしてしまった加害者の生活に与える影響や加害者が負う責任について解説しています。 交通事故を起こした場合のリスクを知ることができるほか、加害者になった場合の相談先などをまとめています。ぜひチェックしてみてください。

交通事故の加害者が無保険の場合はどう対応すればいい?リスクや対処方法を紹介

交通事故の加害者が無保険だった場合、どのように対処したらよいのかご存じでしょうか。この記事では、加害者が無保険だった場合のリスクや無保険で考えられるケース、対処方法などを紹介しています。ぜひこちらを参考にしてみてください。

交通事故の手続き・知識の人気記事

よく読まれている記事