高速道路で追突事故が発生した場合の過失割合は?事故を防ぐ注意点も

高速道路で追突事故が発生した場合の過失割合について説明します。高速道路で車を停車し、渋滞を引き起こして事故になった時の、過失割合についても解説!高速道路で追突事故を起こさないための注意点や義務、禁止事項について紹介します。

高速道路で追突事故が発生した場合の過失割合は?事故を防ぐ注意点も

目次

  1. 高速道路で追突事故が発生した場合の過失割合とは?
  2. 高速道路で追突事故が発生した場合の過失割合
  3. 高速道路で追突事故を起こさないための義務と禁止事項
  4. 高速道路で追突事故を起こさないための注意点
  5. 高速道路の追突事故は一般道と過失割合が違う

高速道路で追突事故が発生した場合の過失割合とは?

渋滞のない高速道路
バイク便八王子立川所沢

高速道路での交通事故は、一般道路での交通事故よりも重大事故に繋がりやすいです。追突事故などの場合には、死亡事故が起きてしまう可能性も高くなります。

高速道路で、追突事故が発生する理由や一般的に科せられる過失割合はどのくらいになるのかを、説明しましょう。高速道路で追突事故を起こさないための義務や禁止事項、注意点についても解説します。

高速道路で追突事故が発生した場合の過失割合

高速道路で追突事故が起きた場合の、過失割合について紹介します。追突事故での過失割合は警察が出すのではなく、保険会社が調査会社の結果を確認してから出すものです。追突事故の状況に応じた、一般的な過失割合を説明します。

理由なく急ブレーキをかけたことで追突事故が発生した場合

ブレーキペダル
Sauerlaender

事故の原因

追突車

駐停止車

駐停止車のブレーキランプが故障

30%

70%

追越車線での故障

40%

60%

駐停止車のその他著しい過失・重過失

30~40% 

60~70%

駐停止車が退避不可能かつ停止表示器材を設置

80%

20%

分岐点・出入り口付近

60%

40%

追突車の速度違反

60~70%

30~40%

追突車のその他著しい過失・重過失

60~70%

30~40%

基本過失割合は、追突車50%:駐停止車50%です。また、事故の原因によっては、上記のような修正過失割合になります。

高速道路では、正当な理由(追突事故の危険を回避する)以外で、急ブレーキをかけることは禁止です。前の車が理由もなく急ブレーキをかけた場合は、追突された側にも過失があるとされます。

路肩などに駐停車している自動車へ追突した場合

車内の風景
thejoltjoker Unsplash

事故の原因

追突車

駐停止車

視界不良

50%

50%

追越車線

50%

50%

駐停止車の車道の閉塞が大きい場合

50%

50%

駐停止車のその他著しい過失・重過失

50~60%

40~50%

追突車の速度違反

50~60% 

40~50%

駐停止車が退避不可能かつ停止表示器材を設置

80%

20%

追突車のその他著しい過失・重過失

70~80%

20~30%

基本過失割合は、追突車100%:駐停止車0%です。停車理由によっては、上記のような修正過失割合が発生する場合もあるため、追突事故の状況を確認しましょう。

高速道路で止むを得ない理由により、路肩に駐停車している車に追突した場合、追突した車がすべての過失を負うことになります。

駐停車した自動車に過失がある場合

高速道路でスピードを出す車
DRIVAR

事故の原因

追突車

駐停止車

視界不良

50%

50%

追越車線

50%

50%

駐停止車の車道の閉塞が大きい場合

50%

50%

駐停止車のその他著しい過失・重過失

40~50%

40~50%

追突車の速度違反

60~70% 

30~40%

駐停止車が退避不能かつ停止指示器などを設置

80%

20%

追突車のその他著しい過失・重過失

70~80%

20~30%

基本過失割合は追突車60%:駐停止車40%です。高速道路上では、車を駐停車させる場合の義務事項があります。守られていない場合は高速道路の追突事故でも、過失割合の修正が必要です。

駐停車後の対応に過失がある場合

高速道路で交通事故を起こした車
valtercirillo

事故の原因

追突車

駐停止車

視界不良

70%

30%

追越車線

70%

30%

駐停止車の車道の閉塞が大きい場合

70%

30%

駐停止車のその他著しい過失・重過失

60~70%

30~40%

追突車の速度違反

60~70% 

30~40%

追突車のその他著しい過失・重過失

60~70%

30~40%

基本過失割合は追突車80%:駐停止車20%です。事故の原因や駐停止後の対応によっては、上記のような修正過失割合になります。

高速道路上において、緊急事態で駐停車を必要とした場合は、停止後に適切な対応が必要です。道路交通法でも、高速道路の駐停車への適切な対応は義務化されており、違反をすると反則金を伴う罰則となります。

出典:道路交通法(e-Gov法令検索)

駐停車にも追突事故後の対応にも過失がない場合

事故車があるため注意喚起をしている車

基本過失割合は、追突車100%:駐停止車0%です。駐停車後の対応や追突された状況に過失がなければ、追突された車には過失責任が発生しません。

しかし、高速道路上での駐停車は、大事故を引き起こす原因になるため、できるだけ避けましょう。止むを得ないケースを除いては、義務違反となることもあるため、注意してください。

高速道路で追突事故を起こさないための義務と禁止事項

高速道路で追突事故を起こさないためには、走行する際の義務と禁止事項を、確認しておくことが重要です。追突事故の原因になる行為を避ければ、追突路を防げます。

高速道路では最低速度の維持義務がある

スピードがでる高速道路
kayakaya
  1. 路上に立たない
  2. 車内に残らない
  3. 安全な場所に避難する

高速道路を走行中に、故障や交通事故などの緊急事態で車を停止する場合、本線・路肩どちらであっても危険です。追突事故などが発生しやすくなるため、「高速道路における緊急時の3原則」を守る必要があります。

最低限のルールであり、緊急事態以外では駐停車をしないようにしましょう。車両が動く場合は、サービスエリアやパーキングエリアなどの、安全な場所まで移動してください

出典:高速道路(警視庁)

やむを得ず駐停車する場合は停止表示器材を置く義務がある

停止指示板

高速道路上での駐停車は避けたいですが、緊急事態で急停車をせざるを得ない場合もあるでしょう。そのような時は、停止指示板や発煙筒などを設置します。後続車に合図をして、後続車からの追突事故を避ける必要があるからです。

遠い場所からでも確認できるように、車のハザードランプも点灯させると、さらに分かりやすくなります。悪天候の場合でも、発見できるようにしましょう。

出典:高速道路上は駐停車禁止です!(NEXCO東日本)

高速道路では駐停車は原則禁止

高速道路上で故障した車

高速道路上での駐停車は、追突事故の原因になる可能性があり危険であるため、原則禁止です。駐停車が必要な場合には、必ず停止をしていることを、示さなくてはなりません。また、速やかに移動するための、措置を講じる必要があります。

高速道路上でこれらの措置を怠った場合、故障車両表示義務違反となります。違反点数が1点、反則金は約6,000~7,000円です。

出典:道路交通法(e-Gov法令検索)

高速道路で追突事故を起こさないための注意点

高速道路での追突事故は、車同士だけでなく渋滞を引き起こすなど、周囲に迷惑をかけてしまいます。高速道路で追突事故を起こさないためには、どのようなことに注意をすれば良いでしょうか?

注意点①車間距離を十分とる

車間距離を保って運転する車
SplitShire

一般道を運転する時と同様に、高速道路でも車間距離をとって運転することが大切です。前方車両が急ブレーキを踏んだ時に、車間距離が近いと追突事故を起こしてしまう可能性が、さらに高くなります。

高速道路での走行はスピードが出ているので、急ブレーキを踏んでもすぐには止まりません。安全な車間距離は、速度と同じ数字(時速90kmであれば90m)以上をとることです。

冬道などの場合には、さらに車間距離が必要です。追突事故を起こさないためには、一般道で走行する時よりも、さらに車間距離をとりましょう。

注意点②2台前の車に注目する

渋滞中の車
blende12

高速道路の運転中に一番目にするのは、前の車です。前の車に注意をしていても、急ブレーキによる追突事故の場合は、原因が前の車ではないことが多いです。

前を走る車の前に隣の車線から車が割り込んできた場合、前の車は急ブレーキを踏む可能性があります。急ブレーキに対応しきれなかった時には、前の車に追突してしまうことになるでしょう。2台前の車や隣の車線にも、注意してください。

注意点③渋滞案内に気を付ける

高速道路の渋滞情報
HIRAOKA,Yasunobu

高速道路を運転していると、案内表示板があります。案内表示板のチェックも、とても大切です。案内表示板には、渋滞の場所や長さ、事故の情報なども表示されています。

前方が渋滞していなくても、その先で渋滞や事故が発生していることもあるでしょう。事前に確認をすることで、スピードを抑えたり前方の車の動きを予測でき、追突事故を防ぐことに繋がります。

注意点④後続車に合図を送る

ブレーキサインを送る車
Pexels

前方で渋滞や事故、故障車などを発見した時は、後続車に合図を送るようにしましょう。ハザードランプを数回点灯させ、数回に分けてブレーキを踏みます。高速道路などでは、良く使われるサインです。

ブレーキランプだけでは、異常を伝えることが不十分で、後続車が理解していない可能性もあります。後続車への合図をしたにも関わらず追突された場合は、過失割合が加算されにくくなります。

注意点⑤やむを得ない場合は非常駐車帯へ停車する

非常駐車帯を探す車
freestocks-photos

高速道路上での停車は、追突事故などを起こす可能性があるため危険です。しかし、緊急事態であれば停車するしか方法がありません。このような時には路肩ではなく、非常駐車帯に停車をしましょう。

非常駐車帯とは、故障車や緊急車両などが停車することを目的に、設置されているスペースです。200m間隔に設置されているため、緊急避難が必要になった時は、非常駐車帯まで走らせて停車をするようにします。

高速道路には「緊急避難所」という、短い坂道のような場所があります。ブレーキトラブルを起こした車を、停止させるためのスペースです。車両破損の可能性は高いですが、高速道路での死亡事故を防ぐことが可能です。

高速道路の追突事故は一般道と過失割合が違う

高速道路を走る車
hans-johnson

高速道路で追突事故を起こした時の過失割合と、追突事故を防止するための注意点を紹介しました。高速道路で追突された場合は、事故の内容によって過失割合が修正されます。

高速道路での事故は大惨事につながることも多いため、運転の際には注意が必要です。高速道路を運転する際は、事前の車両チェックと給油などの確認も重要です。しっかりとチェックをした上で運転しましょう。

サトミオリ

この記事のライター

サトミオリ

自分の経験も基に、お悩みを解決できるお手伝いをさせていただきます。

記載されている内容は※2022年2月15日 11:28:27 ※時点のものです。

現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

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