交通事故における加害者の生活への影響は?責任や対応についても解説

この記事では、交通事故を引き起こしてしまった加害者の生活に与える影響や加害者が負う責任について解説しています。 交通事故を起こした場合のリスクを知ることができるほか、加害者になった場合の相談先などをまとめています。ぜひチェックしてみてください。

交通事故における加害者の生活への影響は?責任や対応についても解説

目次

  1. 加害者が負う3つの責任
  2. 加害者の生活への影響
  3. 逮捕から刑罰確定までの流れ
  4. 死亡事故における慰謝料の目安
  5. 被害者の遺族へすべき対応とは?
  6. 交通事故の加害者がとってはいけない対応とは?
  7. 加害者として困ったときには弁護士に相談する
  8. 加害者のメンタルケア
  9. 加害者やその家族を救済するための支援組織
  10. 加害者にも精神的なケアは必要

「交通事故を起こしてしまった。これからどうなる?」

「加害者になったが、どのような対応をすればいいの?」

「家族が交通事故の加害者になったことで、精神的に不安定になってしまった。」

交通事故を起こしてしまった際に、このような疑問を抱いたことはないでしょうか。

自動車を日常的に使用している場合には、自分が交通事故を起こし、加害者になってしまう可能性も高くなります。

この記事では、交通事故における加害者の生活に与える影響や責任などついて、解説しています。

本記事を読むことで、交通事故を起こして加害者になった場合の対応方法、加害者本人やその家族に与える影響などを知ることができます。

加害者になってしまい、お困りの際には、ご一読ください。

加害者が負う3つの責任

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交通事故の加害者が負う法的責任には、「民事責任」「刑事責任」「行政責任」の3つがあります。

これらの責任は、加害者のその後の生活に大きな影響を与えることになります。

下記では、この3つの責任について解説していきますので、詳しく知りたい方はチェックしてみてください。

民事責任とは

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民事責任とは、交通事故を起こした加害者が、被害者に与えてしまった損害を賠償する責任です。

たとえば、被害者が交通事故で負った怪我を治すために受けた治療の費用や病院へ通院するための交通費、怪我の影響で仕事を休まざるをえない場合に発生する休業損害、病院に入通院しなければならなくなったことの精神的苦痛に対して支払われる慰謝料などを賠償する必要があります。

任意保険に加入していた場合、加害者の任意保険会社が治療費などの支払いを行いますが、任意保険に未加入の場合、自賠責保険の限度額を超える分については、加害者本人が金銭的な負担をする場合があるでしょう。

刑事責任とは

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刑事責任は、交通事故を起こした加害者が、さまざまな刑罰に処せられることです。たとえば、下記のような刑罰があります。

人身事故の場合、自動車運転死傷行為処罰法上の過失運転致死傷罪(同法第5条)が適用され、悪質・危険な運転により人を死傷させた場合は、危険運転致死傷罪(同法第2条)が適用される場合があります。

過失運転致死傷罪の場合、7年以下の懲役もしくは禁固または100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

一方で、危険運転致死傷罪の場合で、人を負傷させた場合は15年以下の懲役人を死亡させた場合には、1年以上の有期懲役となる可能性があります。

また、人身事故を起こし、被害者を救護しなかった場合(救護義務違反)は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金道路交通法第117条を科せられる可能性があります。そして、交通事故の発生を警察に報告をしなかった場合(報告義務違反)は、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

なお、上記の罪に該当する行為を行った者が無免許運転であった場合、該当する罪に応じて刑期が加重されていきます(自動車運転死傷行為処罰法第6条)。

最後に、人身事故を起こした加害者が、被害者を死亡させるまたは怪我を負わせることを意図して行った場合には、刑法上の殺人罪(刑法第199条)や傷害罪(刑法第204条)が適用される場合があります。

殺人罪の場合、死刑または無期もしくは5年以上の懲役、傷害罪の場合は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

このように、交通事故における刑事責任は、非常に重いものとなっています。

行政責任とは

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交通事故における行政責任は、交通社会の秩序維持のために課せられている責任です。

主に、違反点数の累積反則金の納付免許停止(免停)免許取り消し(免取)などの処分を指します。

違反点数は累積制となっており、基本的には過去3年間で交通違反をした場合に、違反点数が一定の基準に及ぶと処分されることになります。

免停では、一定期間運転をすることができなくなり、免取では、欠格期間(免許を再取得することができない期間)が経過してから、再度、運転免許を取得しなければいけなくなります。

そのため、日頃から違反点数が累積しないよう注意して運転をしなければいけません。

弁護士 大橋史典
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交通事故を起こしてしまい加害者となってしまった場合には、被害者の損害を賠償しなければなりませんし、違反点数の累積を受け、場合によっては逮捕される可能性もあります。交通事故を引き起こしてしまった場合には、さまざまな責任に問われるということを理解しておくことが大切です。
この記事では、交通事故の加害者の生活に与える影響や法的責任、逮捕後の流れなどを解説しています。

加害者の生活への影響

それではここからは、加害者の生活に与える影響などをご紹介します。

もし、加害者になってしまったら、生活にどのような影響があるのか、把握しておきたい方は、ぜひこのまま読み進めてみてください。

精神的な不調

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交通事故を起こした加害者が、交通事故のショックから「PTSD」や「うつ病」などの精神疾患になる場合があります。

交通事故の加害者になってしまったときに、必要なメンタルケアを行わないと、生活に大きな影響を及ぼしかねませんので、適切な診療を受けることが大切です。

多大な損害賠償責任を抱える

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交通事故を起こした加害者には、被害者への損害賠償責任が発生します。

もし、任意保険の対人・対物賠償責任保険に加入しているようであれば、被害者への支払いは、保険会社が代わりに行うことになります。

ただし、任意保険に未加入の場合は、自賠責保険の限度額を超える分を加害者本人が自己負担することになります。

この場合、賠償金を支払うことができなければ、被害者から訴訟を提起され、裁判所から支払い命令の判決を受ける可能性が高いです。一度、示談が成立しているにもかかわらず、加害者が支払わないということから、被害者側の示談金支払いに関する証拠が有力であり、加害者側の主張が通りにくいことから、支払い命令を受ける可能性が高いといえるでしょう。

また、支払い命令を受けても、なお支払えない場合には、判決書にもとづき、財産の差し押さえ(強制執行)を受ける可能性がありますので、注意が必要です。

なお、加害者が子供(未成年)であっても、その保護者などが損害賠償責任を抱える場合があります。

たとえば、平成25年7月4日に神戸地方裁判所で行われた裁判では、被害者である高齢者と加害者である小学5年生(事故当時)との間で起きた自転車事故に対して、被害者に重い後遺障害が残ったことから、加害者である小学生の保護者と保険会社に、合わせて約9,500万円の支払いを命じました。

このように、被害者が死亡したなどの重大な交通事故を起こした場合には、多大な損害賠償責任を負うことになりますので、日頃から安全運転を行いましょう。

家庭崩壊に陥る

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人身事故を起こし、交通事故の加害者になったことで、家庭崩壊に陥ることがあります。

パートナーがひどい人身事故を起こし、人を死なせてしまったことを受け入れることができなかったり、精神的に不安定になってしまい、家庭が崩壊することがあります。

もちろん、家族を巻き込みたくないと考え、離婚を選択する場合もあります。

また、自責の念から加害者本人の精神が不安定になり、配偶者だけでなく、親子や兄弟の関係が悪化し、家庭崩壊に陥ることもあります。

職を失う

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人身事故を起こしたことで、職を失う場合もあります。

もし、ひき逃げや飲酒運転などの悪質性が高い運転によって事故を起こした場合は、懲戒解雇される場合もあります。

何とか仕事を辞めずに済んでも、停職や減給などの処分が下されることもあります。

特に、車の運転に関わる仕事の場合は、免停や免取になると、仕事を続けることも難しくなってしまいます。

やりがいのある仕事に就いていたとしても、交通事故を起こしたことで、その後の仕事に大きな影響を与えることもあるのです。

逮捕から刑罰確定までの流れ

次に、逮捕から刑罰確定までの流れを解説していきます。

交通事故の加害者になった場合に、どのような流れで刑罰が決まっていくのか、気になる方はぜひチェックしてみてください。

弁護士 大橋史典
弁護士 大橋史典
交通事故の刑事責任は、交通事故のケースや被害者のケガの度合いによって異なり、個別具体的に判断が行われます。ただし、無免許運転や飲酒運転など、悪質性が極めて高い場合にはその場で逮捕される可能性が高いです。また、ひき逃げや当て逃げ(救護義務違反・報告義務違反)をしてしまうと、後日に逮捕される可能性もあります。このような悪質な交通違反をした場合には、懲役などの実刑判決や高額な罰金刑といった重い刑罰を科せられる場合がありますので、このような運転は絶対に行わないようにしましょう。

逮捕までの流れ

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死傷者のいる人身事故が発生すると、加害者は、過失運転致死傷罪などの容疑で、その場で逮捕される場合があります。

特に、飲酒運転、無免許運転などの悪質性が極めて高く、危険運転致死傷罪に該当すると判断される交通事故では、逮捕される可能性が高いでしょう。

また、ひき逃げ(救護義務違反)や事故当時に警察へ連絡をしなかった場合(報告義務違反)には、後日に逮捕される場合もあります。

今までは、ごく普通の生活を送っていたとしても、交通事故を起こし、逮捕されることで、生活に大きな影響を与えてしまうおそれがあります。

逮捕後の流れ

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逮捕後は、留置場に入れられ、警察による取り調べを受けます。最長で48時間受けることになり、悪質性が高いと判断されると、検察に送致されます。なお、比較的軽微な場合には、「微罪処分」を受け、釈放されることがあります。

次に、検察に送致された場合、24時間の間、身柄が拘束されます。この間に勾留請求の判断が行われ、裁判所が請求を認めた場合には、勾留を受けることになります。

勾留は、最大で20日あり、警察の取り調べ期間と合わせると、23日間も拘束されることになります。

そして、勾留期間の間に、検察は、起訴・不起訴の判断を決めます。起訴されると、刑事裁判に移行し、不起訴の場合は、釈放されることになります。

なお、比較的軽微な交通違反の場合には、正式な裁判を行う「公判請求」ではなく、書類のみによって手続きが行われる「略式起訴」を受ける場合が多いです。

ただし、略式起訴であっても、前科がつくことには変わりありませんので、注意が必要です。

刑事裁判の流れ

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検察によって起訴をされると、刑事裁判が終了するまで勾留されます(起訴後勾留)。他の裁判の状況によって異なりますが、約2ヶ月程度は勾留される可能性があります。

その後、刑事裁判では、加害者の刑罰について判断していきます。

なお、日本の刑事裁判では、有罪率が99%といわれています。そのため、起訴されてしまうと、有罪判決を受けることがほとんどです。そのため、不起訴処分や早期釈放を目指すことが大切です。

交通刑務所とは

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重大な交通事故を引き起こし、道路交通法違反などの交通犯罪に問われ、実刑判決を受けた受刑者を収容する刑務所を「交通刑務所」と呼んでいます。

交通刑務所とは、正式名称ではなく、全国に2か所のみ設置されています。

一般的な刑務所との違いは、殺人など故意に犯罪を犯した受刑者とは異なり、過失による交通犯罪の実刑判決を受けた受刑者を収容するため、ある程度の自由が認められている点です。

それでも、交通犯罪に問われ、実刑判決を受けた場合には、刑務所に収容されるということを覚えておいてください。

執行猶予の有無

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執行猶予とは、有罪判決を受けた場合に、刑の執行が猶予される期間のことをいいます。

執行猶予付き判決を受けた場合、直ちに刑が執行されるわけではなく、猶予期間中は、これまで通りの生活をすることができます。

ただし、猶予期間中に、重大な交通事故などを再度起こし、禁錮以上の実刑判決を受けた場合には、猶予期間が取り消されるため、注意が必要です(刑法第26条1項1号)。

死亡事故における慰謝料の目安

重大な交通事故を起こしてしまい、被害者が亡くなった場合、遺族の悲しみは計り知れません。遺族の生活にも、大きな影響を及ぼしてしまいます。

被害者を亡くした遺族は、家族を失った精神的苦痛により、加害者に対して死亡慰謝料を請求することができます。

そのため、ここからは、死亡慰謝料について解説していきます。

自賠責基準における死亡慰謝料の目安

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自賠責基準の死亡による損害の限度額は、葬儀費用や死亡逸失利益も合わせて、3,000万円まで支払われます。

死亡慰謝料は、被害者本人分が400万円まで、遺族分は、請求者1人の場合は550万円2人のときは650万円3人以上で750万円まで支払われます。

このように、死亡慰謝料には、被害者本人分と遺族分のものがあります。

被害者本人は、亡くなっているため、被害者本人の損害賠償請求権を相続した遺族が、被害者に代わって、損害賠償を請求することになります。

損害賠償請求権の相続順位は、被害者の配偶者は常に相続人となり、その他の遺族は立場によって異なります。第1順位は被害者の子第2順位は被害者の両親第3順位は被害者の兄弟姉妹です。遺族は、被害者本人分と遺族分の死亡慰謝料を請求することになります。

なお、自賠責基準における限度額を超えた場合には、加害者の任意保険会社、または、加害者本人に請求することになります。

任意保険基準における死亡慰謝料の目安

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任意保険基準とは、保険会社が独自に定めている算定基準のことで、公開はされていません。

保険会社ごとに基準が異なるといわれていますが、おおよそ自賠責基準と同等、または、自賠責基準に比べ少々高い金額が目安とされています。

任意保険基準における死亡慰謝料は、被害者が一家の家計を支えている大黒柱(一家の支柱)であって、扶養家族がいる場合には、1,500万円~2,000万円程度が目安となります。被害者の立場によって、金額の目安が異なります。

なお、加害者が任意保険に加入していない場合は、自賠責基準を超える分を直接請求され、大きな負担を背負う可能性があります。よって、加害者の生活に大きな影響を与えるでしょう。自動車を運転する場合には、任意保険に加入することが最善です。

弁護士基準による死亡慰謝料の額

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弁護士基準とは、これまでの裁判などで、実際に請求が認められた金額を参考にして定めている基準です。弁護士が加害者側に慰謝料などを請求する際に、活用されます。

これまでに請求が認められた金額を参考にしていることから、他の基準よりも、最も高額な金額を算出することができ、被害者の損害に見合った金額を請求できる可能性が高いです。

弁護士基準の目安は、任意保険基準と同様に、被害者の家族の中での立場によって異なります。

被害者が家計を支えている大黒柱(一家の支柱)であった場合には、約2,800万円母親や配偶者であれば、約2,500万円その他(子どもや高齢者など)では、約2,000万円~2,500万円が目安とされています。

最も高額な死亡慰謝料を計算できる可能性が高いことから、加害者の保険会社から提示された金額に納得がいかない場合には、弁護士に依頼して、計算するとよいでしょう。

弁護士 大橋史典
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被害者が交通事故によって死亡した場合には、死亡逸失利益も請求することができます。死亡逸失利益とは、交通事故で被害者が死亡しなければ得られたはずの将来の利益のことです。死亡逸失利益を請求するための計算方法や計算に必要な書類は、被害者の職業によって異なります。
非常に複雑な計算が必要になることから、専門家である弁護士に相談するとよいでしょう。弁護士に相談・依頼をすれば、弁護士基準で算定することができ、適切な金額で請求することができるでしょう。

被害者の遺族へすべき対応とは?

もし交通事故を起こしてしまい、自分が加害者になってしまったときに、被害者の遺族への対応は、どのようにすればよいのか、詳しく解説していきます。

その後の対応に不安がある場合や参考にしたい場合などには、読み進めてみてください。

交通事故の現場ですべき対応

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加害者は、交通事故を起こしてしまった場合、まずは被害者の怪我の状態などを確認し、必要があれば救急車を呼ぶなどの救護対応を行ってください。ご自身で行うことが難しいような場合には、周囲の人などに救援を求めるとよいでしょう。

ここで、必要な救護を怠ると、前述した通り、救護義務違反となりかねませんので、適切に対応するようにしましょう。

次に、事故現場の安全や他の車の進路を妨げないように配慮することが大切であり、二次被害を防止することがポイントです。

その後、警察に連絡をしてください。警察が到着すると、実況見分が行われます。この点も、前述の通り、警察に連絡をしなかった場合には、報告義務違反となりますので、必ず報告するようにしましょう。

実況見分では、交通事故の現場の状況や被害者・加害者の情報などを聴取されます。この際に、被害者の情報を聞き、加害者自身の情報も伝えるようにしましょう。その後の示談交渉を行うために、必要な情報になるためです。

葬儀への対応

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もし、自分が起こした事故で被害者が死亡した場合、葬儀への参列や遺族への謝罪のタイミングなどを考えるでしょう。

葬儀が執り行われる際に、遺族も、突然のことに気持ちの整理がついていないことがあります。

このようなときに葬儀に参列すると、拒絶されることがあるため、必ず参列してもよいか、事前に確認したうえで、出席を検討するようにしましょう。

謝罪に関しても、遺族が受け入れてくれるようであれば、四十九日を過ぎるまで待つ必要もありません。

遺族の気持ちを優先することが何よりも大事になりますので、自分が早く謝罪したいからといって無理強いしたり、迷惑をかけるような行動はやめましょう。

謝罪の意を伝える

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加害者が被害者の遺族に対して謝罪を伝える方法には、直接面会して謝罪する方法と、謝罪文を郵便で送る方法が考えられます。

事故直後に直接面会をして謝罪をすることがよいとされていますが、被害者が怪我により入院していたり、面会できない場合には、まずは謝罪文を郵送しましょう。

ただし、謝罪文の送付は、文面により誤解を与えてしまったり、謝罪の気持ちがうまく伝わらない可能性があります。

面会を希望するときは、約束もなく訪ねると被害者やその家族の気持ちが追い付かなかったり、拒絶される場合があるため、必ず確認をしてから伺うようにしましょう。

弁護士を通して謝罪の意を伝えることもできる

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もし被害者の方が重い怪我を負ってしまったり、加害者に重大な違反があった場合には、被害者や被害者の家族は、加害者と面会したくないと思うことが多いことでしょう。

また、電話や謝罪文の送付なども受け入れてもらえない場合もあるでしょう。

このように、被害者本人やその家族へ、謝罪をすることが難しい場合があります。

この場合には、弁護士を通じて謝罪をするという方法があります。ただし、弁護士が加害者に代わって謝罪を行っても、本人ではないため謝罪の気持ちが十分に伝わらない可能性があることに注意が必要です。

そのようなときには、まずは加害者が被害者に対しての謝罪の気持ちを手紙に書き、弁護士からその手紙を被害者や被害者家族に渡してもらうとよいでしょう。

弁護士 大橋史典
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交通事故における被害者への対応は、丁重かつ慎重に行わなければなりません。不要な対応をしてしまうと、取り返しのつかないことになりかねません。対応に不安がある場合には弁護士に相談するとよいでしょう。
また、弁護士であれば、被害者への謝罪のみでなく、示談交渉なども代わりに行うことができます。適切な金額をもとに交渉することができますから、弁護士への相談・依頼を検討してみてください。

交通事故の加害者がとってはいけない対応とは?

交通事故を起こしてしまった際に、加害者にはとってはいけない対応があります。

その後の示談交渉などにも大きく関わってくる可能性がありますので、理解しておくようにしましょう。

不当な要求に応じてはいけない

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被害者は加害者に対する処罰感情から、不当に高額な慰謝料などを請求する可能性があります。

被害者への感情から、安易にその要求を受け入れてしまうと、被害者の損害に見合った以上の賠償金を支払ってしまう場合があります。

そのため、その場で応じることはしないようにしましょう。

見舞金などは渡さない

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加害者は交通事故を起こしてしまったことで、被害者への謝罪の気持ちから、お見舞金などを渡すことがありますが、それはやめましょう。

被害者の神経を逆なでしかねず、逆効果になってしまう場合があり、新たなトラブルを生む原因になる可能性があります。

そのため、見舞金などを渡すことはせず、謝罪のみを行い、後の示談交渉は任意保険会社などに委ねることがよいでしょう。

念書は書かない

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被害者から念書への署名を要求される場合があります。念書とは、何らかの約束事を一方の当事者から他方の当事者へ差し入れる書類です。

交通事故の場合では、「賠償金として、〇〇〇万円を支払います」などと記載された念書を差し入れられる可能性が考えられます。

この、念書が差し入れられても、応じないようにしましょう。応じてしまうと、必要以上の賠償金を支払わなければいけないなどのトラブルが生じる可能性があります。

不要なトラブルを防止するためにも、対応は保険会社に任せてある旨を伝えてお断りをする、念書を書かざるを得ない場合には、金額を記載しないようにするとよいでしょう。

その場で示談はしない

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適切な損害内容や賠償金を計算することなく、示談することはやめましょう。

交通事故を起こした直後は、気が動転してしまう場合も考えられますが、過失割合や適切な賠償金を計算しないで示談することは、その後に不要なトラブルが生じてしまいます。

そのため、その場で示談をすることはせず、保険会社や弁護士などに依頼をして、示談交渉を行うようにしましょう。

被害者対応を保険会社のみに任せない

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交通事故を起こした後は、加入している保険会社が代わりに被害者と示談交渉を行っていきます。

ただし、被害者への対応を保険会社のみに任せていた場合には、被害者の処罰感情や不信感などが高まる可能性が考えられます。

被害者と直接連絡をとることが難しいなどの場合には、保険会社の担当者から謝罪したい旨などを伝えてもらうなど、誠意ある対応をするようにしましょう。

加害者として困ったときには弁護士に相談する

任意保険に未加入で自分で示談交渉を行う場合や逮捕されてしまったときなどには、弁護士に相談・依頼をするとよいでしょう。

交通事故の賠償金を計算する際には、被害者の状況に適した方法で行っていく必要があり、加害者本人のみで対応することは困難でしょう。

また、逮捕や勾留された場合に面会できるのは、弁護士のみです。今後の対応などを専門的にアドバイスすることができますから、交通事故の加害者になってしまった場合には、弁護士への依頼を検討するとよいでしょう。

弁護士 大橋史典
弁護士 大橋史典
交通事故で加害者となってしまった場合には、弁護士への依頼を検討するとよいでしょう。弁護士であれば、示談交渉を円滑に進めることができる他、被害者の損害に適した示談金を計算することができます。
また、万が一逮捕された場合には、加害者の刑罰が重くならないようにするための対応や不起訴を目指したサポートを行うことができます。刑事事件となった場合は時間との勝負です。すみやかに弁護士に依頼するとよいでしょう。

加害者のメンタルケア

交通事故を引き起こしてしまった加害者も、精神的に不安定になったり、心に大きな傷を負うことがあります。

そのため、交通事故の加害者であっても、その後の生活のためにメンタルケアを行う必要があるのです。

ここからは、加害者へのメンタルケアの必要性について、詳しく解説していきます。

加害者のうつ病やトラウマ

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交通事故が起こった際に、被害者のみでなく加害者本人やその家族も精神的にショックや苦痛を受けることがあります。

死亡事故や重大な人身事故を引き起こしてしまったことで、自責の念を抱えたり、車を運転することに恐怖を覚えることもあるでしょう。

そのため、交通事故が原因でうつ病を発症したり、大きなトラウマを抱えてしまう可能性があります。

うつ病を患うと、仕事ができなくなったり、日常生活に支障をきたすなど、非常に長い期間苦しむこともあります。

この場合には、すみやかに精神科などを受診して、必要はケアを受けることが大切です。

加害者やその家族が自殺をしてしまうこともある

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交通事故を起こした加害者本人や、加害者の家族は、引き起こしてしまった交通事故により、前述したように精神的なトラブルを抱えることがあります。

交通事故が原因で家庭が崩壊したり、職を失うことも考えられるでしょう。

このようなさまざまな要因が積み重なった結果、加害者本人やその家族が自殺をしてしまうことも考えられます。

被害者だけでなく、加害者やその家族も交通事故により、精神的に大きな負担を背負う場合があるため、精神的なケアをしていかなければなりません。

加害者やその家族を救済するための支援組織

交通事故の加害者やその家族を救済・支援するための組織がいくつか設立されています。

もし自分や家族が交通事故の加害者になってしまったときには、さまざまな支援を受けることができるため、参考にしてみてください。

特定非営利活動法人 World Open Heart

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2008年に設立した特定非営利活動法人World Open Heartは、加害者家族支援を目的に、全国に先駆けて設立されました。

事務所は、宮城県仙台市にあるにも関わらず、相談を寄せる人は全国におり、それに応えるために、World Open Heartは、全国的に活動を行っています。

現在では、仙台・東京・名古屋・大阪などにおいて、加害者家族のためのピア・カウンセリング「加害者家族の会(オープンハートタイム)」を定期的に開催しています。

加害者家族となってしまったときの対応や今後のことがわからないときに、World Open Heartは力になってくれるでしょう。

出典:特定非営利活動法人World Open Heart

特定非営利活動法人スキマサポートセンター

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特定非営利活動法人スキマサポートセンターも、加害者家族になってしまったときの相談を行っています。

大阪や関西を拠点にしており、臨床心理士や弁護士、社会福祉士などの専門的な分野で活躍されている方や、提携各所のサポーターたちが相談を行い、今後の生活など、家族が加害者となったことで生じるさまざまな悩みに対応しています。

家族会や無料相談会も開催しており、匿名での参加もできることから、安心して相談できるでしょう。

開催場所などは非公開になっているため、直接、スキマサポートセンターに問合せをするとよいでしょう。

出典:特定非営利活動法人スキマサポートセンター

山形県弁護士会 犯罪加害者家族支援センター

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山形県弁護士会は、犯罪加害者の家族に対する法的な支援を行うことを目的に「犯罪加害者家族支援センター」を設立しました。

弁護士会が運営しているため、どのような法的な支援があるのか詳しく知りたい方は問い合わせてみるとよいでしょう。

加害者本人が逮捕や勾留され、裁判になっている場合、家族は何ができるのか、生活への影響や被害者への対応がわからないなどの場合も相談してみるとよいでしょう。

1回目の電話相談や面接相談の相談料は無料です。また、2回目以降の面接相談は30分あたり5,500円が必要です。

弁護士に相談したいという場合は、山形県弁護士会の犯罪加害者家族支援センターに相談するとよいでしょう。

出典:山形県弁護士会 犯罪加害者家族支援センター

更生保護における就労支援

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刑務所再入所者の約7割は、再犯をしてしまったときに無職であったとされています。このように、刑務所出所者の就労支援や雇用の確保が重要な課題となっていることに鑑み、法務省は、ハローワークなどと連携し、就労支援を行っています。

たとえば、ハローワークでは、職業相談や職業紹介などを行うほか、就労のためのセミナーや職場体験講習など、充実した就労支援を実施していますので、参考にするとよいでしょう。

出典:法務省「更生保護における就労支援」

加害者にも精神的なケアは必要

交通事故の加害者になってしまったときに、被害者だけではなく加害者も、ショックからうつ病になってしまったり、トラウマを抱えてしまい、最悪の場合は自殺をしてしまう人もいます。

加害者になったときに、家族や周囲からの支え・理解などがあれば、加害者やその家族によい影響を与えるでしょう。

記事の中で紹介した通り、家族や周囲からの支えが見込めないときにも、加害者を支援するための組織は多く存在します。

家族だけで抱えることが辛いときにも、これらのサポートを受けることで緩和されるでしょう。

交通事故の加害者になってしまった場合でも、精神的なケアは必要なのです。

そのようなサポート体制の構築がこれからも必要になっていくでしょう。

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