むちうちでMRI検査は必要?「異常なし」と診断された場合の対処方法も解説
この記事では、むちうちになったときにMRI検査を受けるべき理由を詳しくまとめました。また、後遺障害等級認定でのMRIの画像所見の有効性も解説しています。 むちうちで受けるべき検査についてお悩みがある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
「むちうちでMRI検査は必要なの?」
「むちうちにおけるMRI検査のタイミングはいつかな?」
「むちうちの後遺障害等級認定で押さえておくべきポイントはある?」
このように、 むちうちでMRI検査を受けようと考えている方の中には沢山の不安や疑問があるのではないでしょうか。
本記事では、むちうちでMRI検査は必要なのかについて紹介しています。また、MRI検査のタイミングも知っておきましょう。
この記事を読むことで、 むちうちにおけるMRI検査の必要性を知ることができるでしょう。また、かりつけの病院にMRIが無かった場合の対処法もチェックしておいてください。
むちうちでMRI検査を受けようと考えている方は、是非この記事を読んでみてください。
MRI検査は何を診るためのもの?
交通事故でむちうちになった時に、病院では骨に異常がないか、まずはレントゲン検査を行うのが一般的です。
しかし、レントゲン検査は、あくまでも骨の損傷を調べることが目的ですので、脊髄や内臓、血管などの異常を見付けることはできません。より詳しく、骨以外の軟部組織の損傷を調べる時は、MRIが最適です。
むちうちにおけるMRI検査の必要性
むちうちが後遺症になった場合、後遺障害等級認定を申請できます。申請する際に、MRI検査がどのように影響してくるのかを、詳しく解説しましょう。
むちうちの後遺障害等級認定の申請時
MRI画像は、交通事故によって発症したむちうちなどの原因を、明確にできる証拠になります。万が一、むちうちの症状が後遺症として残った場合は、後遺障害等級認定の申請をすることが可能です。
後遺障害等級とは、交通事故の後遺症を要介護1級・2級、1級~14級に分類したものです。 後遺障害慰謝料などの金銭を左右する重要な認定でもあります。
後遺障害等級認定の申請の際に、MRI画像は後遺障害等級を認定する、有効な資料となります。他にも、加害者側の任意保険会社に慰謝料を請求する時にも、MRI画像は有効です。また、MRI検査が異常なしでも認定される可能性があります。
出典・参照:後遺障害等級の一覧表|アトム法律事務所
後遺障害等級認定で押さえておくべきポイント
- 1:他覚的所見が重要
- 2:証拠として残るようカルテへ記載してもらう
- 3:病院以外で治療を受ける場合は医師の指示が必須
- 4:保険会社から治療費の打ち切りを打診されたら医師に相談する
後遺障害等級認定で押さえておくべきポイントを4つ紹介します。
1:他覚的所見が重要
後遺障害等級認定を申請するためには、自覚症状ではなく他覚的所見が重要です。
例えば、レントゲン検査よりも細かく病態を把握できるCTやMRIの画像診断のほか、神経学的検査をしてもらいましょう。受傷の有無や程度について、他覚的な判断をしてもらうことが重要です。
2:証拠として残るようカルテへ記載してもらう
いつどのような症状を訴えたのか、どのような治療をしているのかなど、カルテは証拠に繋がります。そのため、細かい経緯もきちんと医師に伝え、いざというときに証拠として残るようカルテへ記載してもらいましょう。
3:病院以外で施術を受ける場合は医師の指示が必須
整骨院や接骨院など、病院ではない場所で施術などをする際は、原則医師の指示が必要です。
また、後遺障害診断書の作成は医師が行います。 そのため、整骨院や接骨院にだけ通おうと考えている方は注意が必要です。
出典・参照:【接骨院に通院される方向け】接骨院での施術は慎重に進めよう | 六花アトリエ法律事務所
出典・参照:後遺障害診断書の書き方やもらい方、等級認定される記入例|自覚症状の伝え方は? | アトム法律事務所弁護士法人
4:保険会社から治療費の打ち切りを打診されたら医師に相談する
保険会社から治療費の打ち切りを打診されたら、医師に相談するようにしましょう。
まだ症状が改善されていないと医師が判断すれば、治療費の打ち切りに応じなくて良いでしょう。今後の治療費負担を左右するため、必ず医師と相談することを心がけてください。
むちうちにおけるMRI検査のタイミング
交通事故でむちうち症状がある場合、MRI検査はいつ受ければ良いのか、そのタイミングを説明しましょう。
1:交通事故直後のできるだけ早い段階
交通事故に遭ったら、できる限り早めにMRI検査を受けた方が良いです。なぜなら、交通事故から日が経ち過ぎてしまうと、交通事故とMRI検査結果の因果関係が、結びにくくなるからです。
そうなると、損害賠償を請求する時に、MRI画像が有効な証拠にならず、不利になってしまいます。別の理由でむちうちになったのではないかと、疑われてしまうからです。
加害者側の保険会社に疑われないためにも、交通事故に遭ったら早めに検査を受け、画像を取得しておきましょう。
2:手足のしびれや感覚が鈍くなった時
むちうちが悪化すると、椎間板ヘルニアを発症することがあります。椎間板ヘルニアの主な症状は、首の痛みだけでなく、手足のしびれを感じるのが特徴です。
一時的なしびれですぐに治れば大丈夫ですが、しびれが続く場合は首まわりや椎間板に異常がないか、検査することをおすすめします。
また、後遺障害診断書にMRIの画像添付がなければ、本当にしびれの症状があるのだろうかと、疑われる可能性があるかもしれません。
3:症状固定の診断を受けた時
交通事故による怪我やむちうちの治療を続けても、回復の見込みがない場合は、医師が症状固定であると診断します。いわゆる後遺症のことです。医師に症状固定と診断されたら、2回目のMRI検査を受けることをおすすめします。
そうすることで、後遺障害等級認定の申請時に、有利な資料として提出できるからです。有効な資料は、のちの賠償金の金額にも大きく関わってくるので、なるべく検査を受けておきましょう。
かかりつけの病院にMRIが無かったら
かかりつけの病院にMRI装置がない場合は、どうしたら良いのでしょうか?そのような場合は、かかりつけの病院の医師に、MRIのある病院を紹介してもらいましょう。
自分の判断で勝手にMRIのある病院で検査を受けると、検査の費用を加害者側の保険会社から支払われないこともあります。また、かかりつけの担当医との関係も、悪くなる恐れもあるでしょう。
今までと違う病院での検査になるため、保険会社にその旨必ず事前連絡をしてください。そうすれば、病院が変わっても保険会社にMRI検査の費用を、支払ってもらえます。
MRIの結果「異常なし」となった場合の対応
むちうちでMRI検査を受けた結果が異常なしだった場合、どのような問題が起こる可能性があるのか、解説していきます。また、その時の対応の仕方も説明するので、参考にしてください。
保険会社から治療費の打ち切りを打診された場合
治療費を支払っている保険会社から、異常なしであることを指摘され、治療費の打ち切りを打診してくることがあります。しかし、むちうちの治療が必要かどうかの判断は、医師がするものです。
この件で保険会社と討論になった場合、自分の些細な発言を保険会社にとって都合の良い形で、利用される場合があります。まだ、むちうちの治療が必要であると感じているならば、保険会社の提案に応じず、毅然と対応するようにしましょう。
医師の対応が悪かった場合
異常なしの結果が出たことで、医師から一方的に治療の継続を打ち切られたり、症状固定を診断された場合はどうすれば良いのでしょうか?
納得がいかない場合は、他の医師にセカンドオピニオンとして診てもらう方法もあります。その結果、治療継続が認められれば、引き続き治療費に関する補償も受けられます。
診断に納得できなかった場合
検査結果に納得できない場合は、さらに強力な磁力を使って検査する方法もあります。MRIは磁力のレベルによって、解像度も変わるのが特徴です。
一度目の検査より強い磁力を使用した場合、最初に発見できなかった異常部分が、見付かるかもしれません。また、病院によっては、精度の低いMRI装置の場合があります。
精度が低いと画像の質が落ちるため、異常が発見できない可能性もあるのです。その場合は、精度の高い装置のある病院で、再検査を受けてみるのも良いでしょう。
むちうちの症状が辛いのにもかかわらず、異常なしの結果が出て納得いかない場合は、かかりつけの医師にその旨相談してみましょう。また、他の病院で再検査をする場合は、保険会社への連絡も忘れないようにしてください。
MRIの性能が低かった場合
MRIの性能が低かった場合は、画像の精度が低くむちうちであることを証明できないことがあります。
その場合は、性能の良い病院を紹介してもらうなどの手段を取ると良いでしょう。この場合も必ず医師と相談の上で紹介してもらうことが重要です。
症状固定の診断を先送りにする
症状固定であるかどうかは、あくまでも医師の判断によるものです。異常なしの結果が出た場合、症状固定の判断材料になることは間違いないでしょう。
しかし、むちうちの自覚症状がある場合は、医師にその旨しっかりと伝えてください。そうすれば、まだ治療が必要な段階であると判断され、医師が症状固定の診断を先送りにする可能性が高まります。
症状固定の診断が先送りになれば、引き続き治療費が支払われ、むちうちの治療を続けることが可能です。
むちうちでMRI検査を受ける必要性を知っておこう
交通事故でむちうちになった時に、MRI検査を受けた方が良い理由を、解説してきました。MRI検査をすることで、むちうちの原因を明確にして、症状が悪化することを防げます。
また、検査結果の画像はのちの損害賠償の請求や後遺障害等級認定の申請の時に、重要な参考資料になるのも、ポイントです。本記事を参考にして、交通事故に遭ったら、MRI検査を受けるようにしましょう。
この記事のライター
ドクター交通事故運営
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