二日酔いな男

二日酔いだ。

昨日サークルの飲み会に参加したんたけど、
久しぶりで楽しくて、調子に乗ってしまった。
何より良くないのは加奈子ちゃんの、
「お酒が強い男の人っていいですよね」
という一言だ。

それで調子に乗った男は僕だけじゃないはずだが、
実際に強いやつらはいいとして、
僕はそんなに強くないので結果は悲惨だった。
平静を装いつつ、だけど完全にキャパオーバーだった。
その証拠に後半のことはあまり覚えていない。
大失態を犯していなければいいが。

今日は土曜日、とりあえず起きよう。

携帯を開くと、加奈子ちゃんからメールが来ていた。
「昨日はお疲れ様でした。ちゃんと帰れましたか?また飲みましょうね!」
社交辞令とも取れるが、僕に対してそんな義理はないだろうし、
ということは少しは脈があるのかな?
とか様々な妄想をめぐらせる。

待てよ。
昨日、僕が加奈子ちゃんを気に入ってるのを見て、
孝弘が茶化してきたのを思い出した。
あいつが絡んでくるといつもろくなことがない。
このメールも実は孝弘が加奈子ちゃんに頼んで、
送りつけてきたものかもしれない。
あいつはそういうくだらないことを平気でやる人間だ。
ここで返事をしてしまうと、孝弘のかっこうのネタになる。
周りに人がいたら、もっと最悪だ。

と、ぐわんぐわんな頭で必死に考えた結果、
返事するのをやめた。
もしかしたら、
加奈子ちゃんが本当に僕のことを気になっている、
という可能性もあるけど、リスクの方がデカい。

こうして僕はいつも、せっかくの出会いを、
勝手な妄想でフイにしてしまうのだ。